シンガポールの下水処理施設「NEWater」を視察

シンガポールは国家戦略として下水処理水の再生に取り組んでいます。
私は、かねてより日本でもこの下水処理水の再生について研究する必要があると考えており、世界で最も進んだシステムの見学ができて感慨ふかいものがあります。
c0060075_18324585.jpg

シンガポールには4つの下水処理場があり、9月1日にその一つチャンギにあるニューウォーター・ビジターセンターを訪問しました。1日4回のガイドツアーが実施されており、見学はもちろん無料です。
14時からのツアー参加者は約15名であり、シンガポールの水の歴史から説明はスタートしました。シンガポールは小さな国土に500万人の人口を擁し、上水の多くをマレーシアからパイプラインで輸入しています。マレーシアが水の供給をストップすればシンガポールはすぐ干上がってしまい、安全保障の面から水の確保に取り組んだそうです。下水の再生事業には1974年から取り組んだが、当時はコストも高く実用化への道は遠く、様々な試行錯誤を繰り返した後に2002年に実用化しました。つまり構想から28年の歳月をかけて実現したプロジェクトであり、いかに政治家に先を見る目が必要かということを考えさせられました。
c0060075_18403164.jpg

さらにその処理過程を国民に周知させるため、2003年に当見学センターをオープンしたそうです。現在の上水における新生水の占める割合は30%ですが、2060年には50%にまで高める計画とのことです。
下水処理水の再生は3工程の膜処理で行われ、①MU膜、②RO膜、③UV膜を通過させる過程の所要時間はわずかに5分とのことです。日本の旭化成の膜も採用されており、案内担当の方より「日本は水の心配が無いにもかかわらず、濾過膜を開発し世界の役に立っている」と褒めていただきました。
しかし近い将来、日本国内でも必要となるはずと感じています。

見学の最後にペットボトルに入ったNEWaterの試飲もあり、膜処理で完全に不純物を濾過するため無味無臭となり、かえって美味しくないため、微量のナトリウムを添加しています。
c0060075_18384942.jpg

最後に戦時は捕虜収容所であったチャンギ刑務所に隣接するチャンギ・ミュージアムを見学しました。
日本軍による捕虜の虐待の様子が描かれていましたが、戦後は日本兵の捕虜収容所となり、多くの日本兵が拷問を受けた事実は描かれていませんでした。日本人は原爆を落とされても、無差別の都市爆撃を受けても、シベリアに抑留されても相手国を非難することはありませんでした。これは日本人に「内省する能力」があるからではないかと感じた次第です。
[PR]
by kkochan-com | 2012-09-01 18:24 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://kkochan.exblog.jp/tb/18443027
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< ジェネリック(後発医薬品)の普... シンガポールにおける福山41連... >>