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陸前高田市・戸羽市長講演要旨

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発災から2年4ヶ月、メディアが取り上げてくれなくなったので、自分で全国を回り被災地の実情を訴えている。
そもそも、災害発生時のシミュレーションや対策は十分行っていたが、結果的にはそれが甘かった!
原因は、過去の地震や津波の経験・思い込み・それまでの常識等に縛られていた事だ。
「想定外」もあるかもしれないという「想定」が必要だった。
陸前高田市の職員は295人中68人が亡くなった。公務員は逃げられないが、いざという時は一時的に退避できるルール作りが必要ではないか。
消防団員も51人が亡くなり、うち34人が殉職と認められ県から感謝状が渡されたが、紙切れ1枚では何の意味もない。国・県がいかに被災者に寄り添っていないかという話をしたい。
経産省がガソリンを手配してくれたが、ドラム缶からの給油は危険が伴うので自衛隊が給油作業を担当することなった。しかし、経産省より「防衛省から出たガソリンではないので、自衛隊に給油させてはいけない」と横槍が入った。
災害復旧は元に戻すのが原則なので、文部科学省より海辺の学校もその場で建て直すしかないと言われた。
山手の農地にスーパーを建てようとすると農地法を盾に許可が下りなかった。
法律というのは、国民を護るためにあるのではないのか?
所詮、人間の決めた約束事だから、国会で変えればいいのに、有力国会議員でも法律改正に渋る。いかに現状の法律内でごまかすか、という話をしたりする。
私たちの復興に向けた原動力は「くやしさ」である。
官僚や国会議員との差は「くやしさがあるか無いかの違い」だ。
日本の国際的な評価を高めるためにも、復興のスピードを上げてほしい。
一本松に対する誤解も多い。
税金の無駄遣いなどという批判もあるが、税金の投入は無い。一本松保存募金に寄せられた資金だけで再生した。
また、「奇跡の一本松」は我々ではなく自衛隊の命名である。震災直後に災害派遣された自衛隊の「作戦名」が始まりだった。
これから陸前高田市の「まち」の再生が始まるが、武雄市の図書館(TSUTAYAが指定管理者)のように、図書館をまちのエンジンにしたい。例えば東日本大震災関連の本を全部集めるとか。
アメリカ留学の経験から、アメリカのようにバリアフリーが当たり前の社会、障害者が健常者と同等に暮らせるまちを作りたい。アメリカ人のように人生を楽しめるまちづくりをしたい。
子供の問題もある。両親をなくした子供が29人、片親をなくした子供が150人もいる。子供たちはお互いに支えあって生きており、将来は人の痛みのわかる大人に成長してくれると思う。
高齢者の問題もある。仮設住宅で一人で暮らすおじいさんは人との関わりも下手で、やせ我慢の生活をしている。
そろそろ、「支援」から「応援」に切り替えていただきたい。
人間は誰かに評価してもらわないと頑張れない。
被災地に来られたら、ぜひ地方の方言で話してほしい。そうすれば遠方から来てくれたことがわかり、住民の励みになります!
by kkochan-com | 2013-07-28 17:39
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