明日は河口堰開放に向けてのデモがあるそうです。
デモに参加される方の気持ちもわかりますが、対立より対話ではないでしょうか。私個人としては、議会での質疑を通じて一歩でも開放に近づく事を目標としております。 9月12日の代表質問における、河口堰に関する質疑を抜粋して、ご紹介します。 <河口堰の代替水源についての質問> 7月27日に福山・尾道・三原3市の沿岸17漁協でつくる、燧灘海域漁業秩序確立対策協議会から、芦田川の河口堰を撤去し、自然の芦田川に戻すよう要望がありました。しかし、本市は「堰の撤去は困難」と協議会側に回答したとの事であります。 鞆の鯛網は現在「観光鯛網」ですが、以前は鞆の周辺は鯛の素晴らしい漁場であり、その最大の功労者は芦田川が運んできた豊かなプランクトン等であったと考えられます。それゆえ協議会の要望はもっともであると感じます。また、河口堰を開放すれば汽水域が復活し、シジミ等の生物による水質浄化も期待できます。 しかし、河口湖の水は工業用水として日量7万トン程度の利用があり、代替水源が確保できない限り開放は難しい事は重々承知しております。それでもなお、例えば30年先の河口堰開放に向けて、代替水源の確保策などを今から検討する必要があるのではないでしょうか。ご所見をお示し下さい。 <市長答弁> 芦田川は福山の母なる川であり、福山市は芦田川とともに発展してきたと認識しております。 そして芦田川流域は、全国平均の2/3と降雨量が少なく、流域面積も狭く、これまで幾多の渇水を経験してきました。このため、水源として三川ダム、八田原ダムが建設され、上水道の安定給水が可能になったところであります。 また、河口堰が建設され、工業用水が確保できた事により、本市の産業の発展に寄与し、今日の福山市があると考えております。河口堰の開放に向けた新たな水源につきましては、芦田川の流域が狭いなどの河川特性から、今後大規模な水源開発は困難な状況であります。 <再質問> 河川特性上、代替水源がなかなか確保できないので、河口堰の開放は困難との答弁がありました。 私もどこかに水源が無いか、随分考えてみたのですが、箕沖に「芦田川浄化センター」という県の下水処理場があります。ここは福山・府中・神辺・新市・沼隈の下水を一手に引き受けている処理場です。ここに流れてくる下水は日量7万トンだそうです。そして浄化して、福山港に放流している、なんとも「もったいない」と感じました。この7万トンという水量は、河口堰から取水している工業用水の7万トンと同じですね。しかも、今後下水がどんどん整備されていけば、処理場に入ってくる流入量は毎年3~5000トンくらい増え、将来的に20万トンに達するという話を聞いてまいりました。 今は7万トンですから少ないが、20万トンに達した時に、それをまるまる瀬戸内海に放流していたのでは、どうなんだという話が必ず来るという気がします。この水を工業用水に転用できないものかと、いろいろ話をしてきましたが、若干塩分濃度が高く、すぐに工業用水には転用できない。高いといっても海水の1/200程度の塩分濃度です。これをなんとか薄めることができれば、河口堰の問題も将来的には解決するかもしれません。こういった検討を今からされてはいかがでしょうか? <建設局参事の答弁> 工業用水として下水処理水を利用してはいかがかというご質問ですが、データとしてはH15年度ですが、全国で下水処理水全体の0.2%が、工業用水等に直接供給されている水というデータがございます。 ただ、工業用水と一口に言いましても、用途によって必要とされる水質レベルが異なってくると思います。先ほど議員ご指摘がありましたように、芦田川浄化センターの処理水を工業用水として使う場合、現在の水質レベルだと、塩分の除去が必要になるという事でございます。今の技術で言いますと、膜処理と言って、微細な穴があいた膜に圧力をかけて塩分を除去するという技術があります。おそらくそれを使うと思いますが、この技術はまだ新しく、エネルギーを非常に大量に使い、維持管理費が非常にかかり、スケールメリットが働かないという欠点もあります。例えば下水処理場でいうと、日量2000トンくらいの規模のものしか使われておらず、なかなか日量7万トンの水を供給するという事になりますと、コストが非常にかかって難しいのではないかと考えます。 また、河口堰自体は今後とも十分使える施設という事ですので、なかなか現在のそういった技術とか、河口堰の状況を考えると費用対効果的にはなかなか難しいのではないかと感じております。 <再再質問> 現在の技術では困難である事は私も知っております。しかし、10年・20年・30年先の事を考えた取組みを今からしないといけないのではないかと訊いているのです。 先日、滋賀県知事に当選した嘉田由紀子氏は、琵琶湖の水質浄化に長年取り組んできた方です。とかく新幹線の駅の問題ばかりがクローズアップされていますが、琵琶湖の水質浄化を願う県民の想いが、嘉田知事の誕生を実現させたという話も聞いております。それだけ県民の琵琶湖の水質に対する想いが大きいという事であります。 下水処理水の浄化施の建設にいくらかかるのか試算し、市民に示す事も必要ではないでしょうか。そしてその建設費用に「ミニ公募債」を充てるという考えもあるのではないでしょうか。環境保護のためのミニ公募債の取組みは全国で始まっており、例えば「芦田川浄化公募債」などを発行すれば、多くの市民や企業が買ってくれるのではないでしょうか。 他にも広島市民球場の「たる募金」の例もあり、芦田川浄化に向けて市民より浄財を集める(ファンド)という考えもあるかもしれません。 そして、市政施行100周年に向けて、芦田川ワースト1を返上するというアドバルーンを掲げてはいかがでしょうか。 <環境部長の答弁> 施設を整備するよりも、市民一人一人の問題と考えます。今後とも水質浄化に向けての啓発に取り組んでまいります。 <財政局長の答弁> 環境問題にミニ公募債をという質問でありましたが、5年程度の短期で償還しなければならないし、発行に係る経費や手間を考えると、慎重に検討する必要があります。
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| 2006-10-06 17:55
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