<写真は中国新聞2月16日朝刊より引用> 駅前通りに9千万円をかけて整備した自転車レーンの利用が低迷していることに加えて、レーン上に路上駐車も後を絶たず問題になっています。 しかし、長い年月をかけて「自転車=歩道」という指導がなされてきましたので、自転車利用者も車のドライバーの意識も一朝一夕には変わりません。これから「自転車=車道」という啓発を行い、市民周知が図られるまでには時間が必要です。 私はこの問題を昨年11月に指摘していますので、議事録をご紹介します。 【 平成24年11月 決算特別委員会-11月15日-04号 】 ◆(大田祐介委員) それでは,主要な施策の成果の102ページの自転車走行空間整備についてお尋ねをいたします。この決算年度で,福山駅箕島線(駅前通り)の自転車レーンの社会実験,これは約2000万円程かけて行われておりますけども,その実験の成果について,まずお知らせください。 ◎道路整備課道路企画担当課長 社会実験の成果でございます。自転車レーンを走行する自転車が約4割ふえたような状態で,結構使えるような状況が確認されたところでございます。 ◆(大田祐介委員) ですから,今まで歩道を走っていた自転車が走行レーンをつくったことによって4割ぐらいは車道を走るようになったということだと思うんですけども,その実験を受けて今年度,ちょうど今福山駅箕島線のその自転車レーンの整備,工事をされていらっしゃると思います。この自転車が車道か歩道かという問題は非常に難しい点が多いと思うのですが,例えば2号線は歩道に自転車レーンと歩行者レーンとが分けてある。ところが,今整備中の福山駅箕島線は,自転車は車道ということになっている。市民もどっちを通ればいいのか,自転車は車道なのか歩道なのか,混乱があるのではないかと思うのですが,そのあたりどのように考えていらっしゃいますか。 ◎道路整備課道路企画担当課長 基本的に,自転車は車両ですので,車道走行というのが原則でございます。 それともう一つ,最近になってから事故のデータが出てきておりまして,車道を走る方が事故件数が少ないという,民地側に寄れば寄るほど事故関連の事故がふえているという実態が表に出てきております。事故は車と同方向の順走よりも逆方向で走る,例えば歩道の逆方向とかという事故の方が非常に多いというデータが今現在出てきております。そういう中,車道走行の方がどちらかというと安全であるというふうに考えております。 ◆(大田祐介委員) そういう結果,データが出ておるというのは,それは相当啓発しないとほんまかなという話になると思うのですね。それで,先ほども申しましたけども,じゃあ2号線を自転車で走れと言われてもそれは実際難しいと思うのです。その辺どうお考えですか。 ◎道路整備課道路企画担当課長 国道2号線につきましては,自転車の車道通行禁止を交通規制で打たれております。それにあわせて,普通自転車の歩道通行可を打たれておりますので,歩道通行が原則となっているのが国道2号線でございます。 ◆(大田祐介委員) そういったこともほとんどの市民の方は御存じないと思うんですね。ですから,相当な啓発,車道に自転車ということについて,もしくは歩道を走るべき路線はどこであるとか,そういった啓発をかなりする必要があると思うのです。例えば,今整備中の福山駅箕島線が野上の交番の交差点で切れます。じゃあ,その先はどうすればいいのか。歩道を走るのか,そのまま車道を走ってもいいのか,またそこで悩まれる方もいらっしゃるでしょうし,多分そのまま車道を走ればいいんだと思うのですけども。そうやって走っておりますと,時々路肩に車をとめていらっしゃるケースがあります。そうなると,その車をどっちから追い抜くのか。多分,多くの方は歩道にもう一回乗り上げてその車を避けられると思うのです。そうなると,その歩道に上がるときに若干段差があります。今整備されとる自転車レーンにもやはりそういう段差があって,自転車が鋭角にその歩道に乗り上げると,その段にひっかかって結構こけるんですね。私もそれでこけたことがあるんですが,そういった施工上の調整といいますか,路面をどのように整備するかという方針があればお知らせください。 ◎道路整備課道路企画担当課長 大田委員の言われています段差,これは縁石の段差のことだと思います。これは,実は歩道と車道を区切る段差でございます。これは基本的に歩道のところ,横断歩道等では2センチの段差をつけるようになっております。これは視覚障害者の方がどうしても車道と歩道の区切りがわからないということで,白杖で境を確認するのにどうしても必要な段差が最低2センチは要るというふうな形で,これはバリアフリーの方にも規定されているとこでございます。それで,その段差を解消するには自転車の方はゼロがいいんでしょうけど,そういう意味で視覚障害者の方の立場を考えますと,この段差の2センチというのは最低限必要であるというふうに今は考えておるとこでございます。 ◆(大田祐介委員) それはよくわかりました。ただ,歩道を利用される方はベビーカーを押される主婦の方であるとかシルバーカーを押すおじいさんとかおばあさんとか,そういった方もいらっしゃいますので,よくその調整をされて,なるべくその段差が少ない歩道なり自転車道整備をお願いしたいなと思います。 それから,車道を走ったら事故が少ないという御答弁がありましたけども,今までのその長い経緯を考えますと,警察も自転車はもう歩道に上がってくれというようなそういう指導をされていた時期もありましたし,なかなかじゃあ改めて自転車は車道ですよと言われても事故があったらどうするのかと,危ないじゃないかという声もあろうかと思うのです。そもそも,今町中を走っている自転車の多くはママチャリといいますか,正式名称は知りませんけど,ちょっと買い物に何百メートルの距離を乗るような自転車がほとんどだと思うんです。そういったママチャリが車道を走っているというのがちょっとイメージができないですね。ですから,今までどおり歩道も走ってもいいし自転車走行レーンも走ってもいいのか,それとも,すべての自転車を自転車レーンの方に送り込むように指導をしていかれるのか,いかがでしょうか。 ◎道路整備課道路企画担当課長 現在整備しております福山駅箕島線につきましては,車道走行を原則で持っていっておりますが,歩道の通行可はそのままの状態で歩道走行もできるような,はっきり言えばダブルで走れるような状態で整備を今進めているとこでございます。これは,警察ともそういう話の中で現在進めていっております。歩道に上げてから結構30年近くたっておりますので,一遍に車道へという判断はなかなか私どもも難しいとこがございまして,段階的に車道の方へ移っていただけたらというふうに判断しているとこでございます。 ◆(大田祐介委員) わかりました。いずれにしても,これからの市民に対する啓発が相当必要だと思いますし,いろんなイベントを打つとか広報で啓発するとかそういったお考えはどうなのかということと,今後の自転車道の整備計画とか方針とか,大ざっぱで構いませんので教えてください。 ◎道路整備課道路企画担当課長 啓発につきましては,私どもも必要であると判断しております。それで,関係機関,関係部署とも連携を図りながら啓発に努めてまいりたいと考えております。 将来計画でございますが,福山駅を中心とした半径5キロメートルの圏域の中のネットワーク化を図っていきたいと考えております。延長的に言いますと,道路延長では,国,県,市を合わせまして,道路延長でございますが,約80キロメートルになると考えておるとこでございます。 ◆(大田祐介委員) 将来計画は大体わかりましたが,啓発という面ではもっと踏み込んで,教育という面があると思うんです。小中学生がよく言われるのが,自転車で並列で走っているとか,傘を差して走っているとか,2人乗りをしているとか,いろんな状況があると思うのです。当然,それによって事故も発生していると思いますが,教育委員会として自転車は歩道から車道にという取り組み,それについて今後どのように子どもたちに教えていくのか,指導していくのか,お示しください。 ◎教育委員会指導課長 小中学生の自転車事故につきましては,昨年度も一定程度発生をしておりまして,事故防止の観点からさまざまな安全指導,自転車点検等を行っておるとこであります。車道の通行につきましては,関係課とも十分連携を図りながら,今後の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆(大田祐介委員) ですから,教育委員会として,子どもたちに自転車は歩道じゃなくて車道ですよという指導をされるんですか。 ◎教育委員会指導課長 現時点で,そういう指導を教育委員会としては行っておりません。(大田祐介委員「今後,これから」と呼ぶ)今後につきましては,全体状況,市全体の取り組み,そういったものを十分踏まえながら指導のあり方を検討してまいりたいと考えております。 ◆(大田祐介委員) 明日から自転車は車道ですよというふうにいかないのはもちろんわかるんで,安全対策なり交通ルールとかマナーとかそういった面もしっかり指導をしていただきたいのですが。 いっとき,子どもたちにヘルメットをかぶらせるべきじゃないかと,ちょっとどこの学校の校長先生だったか忘れましたけど,かなり旗を振られて取り組まれたことがありましたけども,今ちょっとまた下火になっているように思うのです。自転車が歩道にしろ車道にしろ,ぜひヘルメットをかぶるべきじゃないかと私は思います。学校によってはちゃんとかぶって通学している学校もあれば,全くかぶっていない学校もあるように思うんですけども,そのヘルメットの着用に対する指導というのはどのようにされていますか。 ◎教育委員会指導課長 教育委員会として,ヘルメットを必ず着用するようにという指導を中学校に対しては行っておりません。現状といたしましては,半数程度が着用しているというふうに把握をしております。 ◆(大田祐介委員) ですから,それはその学校の判断,指導に任せているということですか? ◎教育員会指導課長 自転車の交通安全ということについては,もちろんすべての学校に対して指導を行っておりますが,ヘルメットの着用については必ず着用するようにという指導は行っておりません。 ◆(大田祐介委員) 私はやっぱりした方がいいと思うんです。自転車による事故で最も重篤な事故というのは頭を打ったりそういう事故だと思うんですけども,高価なものですから,何千円かするものですから,それを全児童生徒にかぶらせなさいというと,それなりに親の負担もかかりますし,なかなか難しいことだとは思うんですけども,これはぜひ,なるべく全児童生徒が自転車に乗るときは必ずヘルメットをかぶると。車に乗るときはシートベルトを締めるのと同じような発想で取り組まれてはいかがでしょうか。 そういったことで,自転車に対する文化といいますか,日本ならではの今までのずっと長い自転車文化というのがあったと思うんです。この自転車道の整備というのは,どちらかといえばヨーロッパとかアメリカとか,そういった外国をモデルにしているような気がしまして,すぐにすぐそういったよその国の文化を日本に取り入れてうまくいくとはなかなか思えない気もいたします。ですから,これは,今まで30年,40年かけて今の日本の自転車の文化ができていますので,それを変えていくためには,また自転車を車道に戻していくためには,相当また長い年月をかけた教育が必要だと思うんです。そういったことに,ぜひ教育委員会としても取り組んでいただきますように要望をして終わります。
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| 2013-02-19 08:55
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