H19.9誠友会代表質問

今回の質問の「全文」をご紹介します。
読み上げるのに20分程度かかりました。
皆さんも、議会の質問原稿を読む機会なんて、おそらく初めてではありませんか?
何事も経験です。長いですが、ちょっと読んでみて下さい。
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私は誠友会を代表して質問します。
さる6月28日に名誉市民・宮沢喜一様がご逝去されました。先生は半世紀にわたり戦後の政治・外交の表舞台で活躍されました。サンフランシスコ講和会議に全権団の一員として参加され、経済政策にかけては池田内閣の経済企画庁長官を皮切りに、通算4度の大蔵大臣就任、総理大臣として外には国際貢献、内には生活大国の実現を目指し、困難な課題に全力で取り組んでこられました。その先生を失ったことは、福山市民として痛恨の極みであります。心よりご冥福をお祈りいたします。

さて、地方分権が進むなか、地方議員・首長の責務はますます重要となっています。そこで、私達が子孫に何を残すことができるかを考えると、現状では後世に受け継ぐべき豊かな自然資本を浪費し、自然環境を破壊しているように思えてなりません。すでに後戻りできない地点「point of no return」を過ぎているという説もありますが、今ここで私達が社会の構造や目指すべき指針を変えれば、地球温暖化や環境破壊といった困難なテーマを克服し、大量消費社会を脱し、なおかつ経済成長も遂げることができるのではないかと考えます。

 福山市における最大の環境問題は、中国地方の1級河川13本中34年連続水質ワースト1の記録を更新中の「芦田川」です。工業用水を配水するために建造された河口堰は、福山市発展の礎を築いた功績は大きく、高く評価されるものです。しかし同時に、自然資本を浪費し、自然環境を破壊してきた原因とも言えます。

今後は自然資本の浪費を続けることなく、英知を絞り逆に自然資本への再投資こそが、福山市を活性化させる原動力になると思われます。なぜなら、家庭環境にせよ職場環境にせよ、住みやすい・働きやすい環境というのは必ずあり、その環境とは明るい太陽光が差し、緑あふれ、きれいな水と空気といった居心地のよい環境であるはずです。そのような環境下でこそ優れた人間性が発達し、労働生産性も高まり、郷土に対して誇りが持てるようになるのは自明の理です。このような観点から今後の自治体経営は行われるべきと考えます。その第一歩として、官民一致団結して芦田川水質ワースト1を返上する事に取り組まなければなりません。市長はワースト1の主たる原因は何と把握されていますか。

一つの目標達成期限として、市制100周年までにワースト1を返上するという目標を掲げてはいかがかと考えますが、市長のお考えをお聞かせ下さい。
 また、環境対策は地方自治体固有の業務や責任ではなく、国の業務としての国防・外交・防災などと同列に扱われるものであり、国に対して環境対策にかかる財源移譲を強く求める必要があると考えます。ご所見をお示し下さい。
 さらに来年度に向けた予算編成にあたり、環境対策等にかける思いがあればお聞かせ下さい。

次に芦田川の水質改善を目的とした基金の創設について提案いたします。
官民を挙げた水質浄化への取り組みとして、芦田川の水質改善を目的とした基金を設け、市民からも寄付を募ってはいかがでしょうか。水質浄化を全市的に広めるために、協働のまちづくり基金の「芦田川版」を作ってはどうかと考えます。各地域で生活排水の低減や、水路の水質浄化に取組み、基金から活動費を補助する方法です。「エコでえ~ことキャンペーン」のような、景品による参加意欲の向上策も有効と思われます。その基金により、親水イベントの開催や、合併処理浄化槽の設置補助や、下水道接続率の向上など目指してはいかがでしょうか。
従来より、芦田川の水質浄化について、様々な啓発活動が行われている事は重々承知しております。しかし、十分な効果があったと言えるでしょうか。今までの取り組みの成果と課題の整理をされてはいかがでしょうか。

下水道接続率を例に挙げても、芦田川水系の水を守る会でもその向上の申し合わせがありましたように、自己負担がネックとなってか、従来からの「お願い」や融資制度では限界があるようです。早期接続には報奨を、長期未接続にはペナルティも検討されてはいかがでしょうか。ご所見をお示し下さい。

災害時における要援護者の把握と支援についてお尋ねします。
 福山市においては「地域における災害時要援護者の避難支援の手引き」を作成し、協働のまちづくり出前講座やホームページで市民に周知されているとのことです。現時点での出前講座の開催状況や、周知の速度に対するお考えをお示しください。

 手引きには素晴らしい先進事例が紹介されておりますが、広い福山市の中には、沿岸部、山間部、中心市街地など地域によって様々な特性があります。
 手引き通りスムーズに運べば、災害時の人的被害も最小限にとどめられるとは思います。しかし最大の課題は要援護者の把握と、支援者の確保、また、いつ起こるかもわからない災害に対して、立ち上げた組織をいかに継続し、更新し続けることができるかであろうと思います。荒川区においては、昭和59年に、「おんぶ作戦」という避難救助体制を確立したものの、若い人や、新しい地域へいかに継続していくかが課題だと言っておられました。組織の持続的な維持更新の支援についてお考えがあれば、お示し下さい。

 要援護者の把握方法として、同意方式と手上げ方式が紹介されていますが、町内会や自主防災組織など、地域の努力だけでは把握は困難ではないかと思います。宮城県の石巻市は、平成14年の台風6号の通過に伴い避難勧告を出した際、一人で避難することができずにいた市民がいたことを教訓に、防災ネットワークに取り組まれたそうです。その際、要援護者の把握の為、個人情報保護審議会において、市から高齢者、障害者、要介護者など支援が必要と思われる方々のリストを町内会に情報提供する決定がされ、そのリストを元に戸別訪問し、要援護者名簿を作成されたそうです。本市としても、そのような情報提供を行うお考えはありませんか。
  今後、この手引きを活かしていくために、より一層の取り組みと支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。

生活排水低減策についてお尋ねします。
水質ワースト1返上策には、①生活排水の低減、②芦田川河口堰の開放、の大きく2点に絞られると考えられます。下水道普及率が低いことも水質汚染の一因ですが、芦田川流域の下水道普及率について、年次目標をお示し下さい。
生活排水については、市民の意識の低さが大きな要因と思われます。問題の構造は家庭から出た排水の行方について関心が低く、しかも行き先が下水処理場や川や海であるだけに、余計に問題が見えにくく、コスト意識も働かないのでしょう。台所が川や海に繋がっているという意識啓発をさらに行い、廃食用油については、バイオディーゼル燃料へのリサイクルを勧める啓発をされてはいかがでしょうか。

芦田川汽水域の自然浄化作用についてお尋ねします。
市民の意識の低い最大の原因は、市民が川を利用しなくなった事ではないでしょうか。河口堰により汽水域が消滅し、川遊びをする人も減り、川を遡上する魚も減少し川漁も廃れ、プランクトンが海に出て行かない事による沿海漁業の衰退も深刻と言われています。漁業衰退の原因の分析をされていますか。

また、市民が利用しない川を管理においては、治水と利水のみを考えれば良く、そこに多額の河川改修費が投入されてきました。保水力と浄化力を奪う3面コンクリート側溝をやめ、自然護岸整備等の方針があればお聞かせ下さい。
さらに、今こそ市民を水辺に呼び戻すために、親水公園や安全に水辺で遊べる環境整備に予算を投入するべきではないでしょうか。道三川の例などを参考に取り組んではいかがでしょうか。ご所見をお示し下さい。

東京湾最深部の干潟「三番瀬」は、13万人分の下水処理場に匹敵すると言われていますが、仮に芦田川河口の汽水域が復活した場合の自然浄化能力はどの程度期待され、BOD等の水質はどの程度改善されるか、試算をされていますか。
また以前、汽水域は広大な親水公園であり、その当時の市民の利用度はかなり高いものがありました。水呑や多治米といった流域住民から、汽水域の復活を望む声はかなりあります。そのような市民の逸失利益がどれほどのものか推し量る事ができますか。また市民の声に対してどう答えられますか。

 芦田川の水源涵養についてお尋ねします。
降水量が少なく、水量が少ない芦田川において、下水道が延びれば延びるほど川の水量が減り、さらに流域・源流の森林保全を行わないと川の水量は減る一方でしょう。流域・源流の森林保全策としてどのような方策を考えておられますか。また水源の涵養に、広島の森づくり事業費をどのように利用されるのでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。

河口堰の代替水源の確保策を提案いたします。
下水処理水を高度処理して、工業用水に転用する案と、工場の排水を高度処理して、再度工業用水に利用する案、いずれも「水のリサイクル」という観点から代替水源に成り得ると考えられます。
シンガポールや中国といった水不足の国においては、膜処理による水のリサイクルが進んでおり、一日処理量10万トンのプラントが次々と建設されています。しかも、その「中空糸ろ過膜」を製造しているのは、旭化成・東レ・日東電工といった日本のメーカーです。
また、JFE福山製鉄所においても、工業用水の循環率は95%であり、最大限のリサイクルに取り組んでおられます。

それに対して本市の姿勢は、河口堰はまだまだ使える施設であり、老朽化するまでは今の工業用水提供体制を続ける意向であるし、膜処理についてはコストが高く、スケールメリットも働かないので、代替水源として検討されておられません。しかし、現代の膜処理技術や世界の潮流を見れば、膜処理は検討に値すると思われますし、いつまでも環境負荷が大きく、旧態とした河口堰に頼る考えを打破されてはいかがでしょうか。

現在、芦田川浄化センターは日量7万トンの下水を処理しており、合流式下水道改善事業により、新浜浄化センターが県流域下水道に接続されれば、日量10万トンを超えるものと予測されます。この処理水に水利権は無く、流用するにあたりコストは発生しないはずです。
河口堰代替水源としての下水処理水再利用について、膜処理メーカーに下水処理水の水質データや工業用水の水質データを示し、高度処理にかかるコスト計算を依頼してはいかがでしょうか。
さらにこの試算の是非について、芦田川下流水質浄化協議会等でも検討されてはいかがでしょうか。
なお、新浜浄化センターは接続後に廃止される予定ですが、跡地利用についてはどのように考えておられますか。

河口堰の費用対効果についてお尋ねします。
過去5年間で30回程度しか実施されなかった堰の弾力的開放については、運用基準を見直した事により、この2ヶ月間ですでに10回の開放を実施され、評価しております。つまり、いかに取水量が少ないかを示すものであり、常時堰を閉じておく必要性が改めて問われるものです。河口堰の貯水量は満水496万トンに対して取水量は日量わずか7万トンであり、大型トラックで小荷物を運んだり、豪邸に老夫婦2人だけが住むといった例と同様に、大きなロスが発生していると考えられます。新たな産業団地の造成も見込まれますが、今後の工業用水の利用量・必要量についての見込みをお聞かせ下さい。

堰のランニングコストには年間5億円かかっており、堰の費用対効果についてどの程度検証されていますか。また堰の建設事業債償還の見込みもお示し下さい。
 さらに、ユスリカ対策や、湖面のごみの回収費用など、堰の管理に随伴する費用はどの程度かかっているのでしょうか。

自然資本とは、資源、生命システム、生態系が作り出すサービスを指しますが、従来これらは自然界から無償で供給されると考え、原価・経済コストに算入される事はありませんでした。それゆえ、これら自然資本が提供するサービスの浪費に対する罪悪感はあまりありませんでした。
当初、少ない自然資本「水」を最大限利用するために河口堰は建設されましたが、その事により他の多くの自然資本が犠牲になっている事実があります。そこで、堰により失われた自然資本を正当に評価し、そこから私達が享受できる利益は、河口堰により得られる利益と比較してどうか、という検討を行う必要があるのではないでしょうか。ご所見をお示し下さい。

 河口堰のその他の代替水源の案についてお尋ねします。
多くの市民により、様々な案が提案されています。他水系からの取水案として、岡山県の高梁川は水量が豊富ですが、現行法では県境を越えて工業用水の配水はできません。しかし、法改正の動きもあり、高梁川水系の工業用水は15円/tと福山市の工業用水の半値であり、仮に高梁川から工業用水を取水する場合の水利権の状況や、パイプライン敷設等のコスト試算をされてはいかがでしょうか。

また、仮に神島橋下流付近に小規模な取水堰を作り、そこから箕島浄水場に送水した場合にかかる費用の試算をされていますか。

さらに八田原ダムの運用変更による水源の確保案については、常時満水位を上げて貯水できるか否か、ダムの嵩上げによる貯水量のアップなど、非現実的であっても水利権等の試算をし、代替水源としては不適であるという根拠を示す必要があります。いかがでしょうか。

最後に、堰の開放に伴う塩害の被害予測はどの程度されているのでしょうか。お示し下さい。
 
 水辺の安全教室の開催についてお尋ねします。
今月2日に呉市のため池で2人の小学生が死亡する事故がありました。
本市においても市内のため池の緊急点検を行ったそうですが、このような事故があるたびに、危険水路や池に近づかないようにといった指導が行われます。しかし、結果として水辺の事故は年々増えており、効果が薄かったのではないでしょうか。

以前「3ナイ運動」という、高校生はバイクに乗らない、買わない、免許を取らせないという運動がありましたが、結果として、無免許で運転技術が未熟なまま事故を起こし、亡くなったり、後遺症を残すといった事故が多発しました。以降、子供達の好奇心を抑えたり、臭い物に蓋をするより、積極的に安全指導・講習を行うべきではないかという意見が多数派となりました。
今年の夏は全国的に水の事故が多発し、子供に限らず大人も多くの方が亡くなられました。これは子供の頃に水辺の安全策について、十分な教育・指導を受けていない事を表すものではありませんか。

そこで、教育委員会の取組みや指導も承知しておりますが、まず水辺で安全に遊ぶための指導者の養成が必要です。そして子供を対象としたラフティング、カヌーによる川下り体験、川辺でのキャンプなどを通じて、水の楽しさと危険を学ぶ体験が必要です。このような体験学習の機会をいかにして増やすか、検討されていますか。なお、先日の豪雨で閉鎖された「山野峡キャンプ場」の再開の見通しはいかがですか。
また、水泳の授業や、子供会やPTAによる小学校のプール開放日にて、着衣泳や救助の講習などの水辺の安全教室を開催し、ライフジャケットの体験・普及なども図ってはいかがでしょうか。
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by kkochan-com | 2007-09-11 14:09
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